「ボロ戸建て投資に興味はあるけれど、どんな物件を選べばいいのか分からない」「安い物件はたくさんあるのに、どれが買ってよい物件で、どれが買ってはいけない物件なのか判断できない」。ボロ戸建て投資を検討している人が最もつまずきやすいのが、この物件選びです。
ボロ戸建て投資の成否は、買う前の物件選びでかなりの部分が決まると言われます。どれだけ工夫して修繕や入居者募集をしても、そもそも選んだ物件に無理があれば、取り返すのは難しいからです。この記事では、ボロ戸建て投資の物件の選び方を、立地・土地・建物・お金・出口の5つの視点から整理し、買ってはいけない物件の見分け方を具体的に解説します。
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ボロ戸建て投資は「選び方」で結果が決まる
ボロ戸建て投資とは、築年数が古く傷みのある戸建てを安く取得し、必要な修繕をして賃貸に出す投資の方法です。物件価格が安い分、利回りが高く見えやすいのが特徴ですが、その一方で修繕費の見込み違いや空室のリスクも抱えています。投資の仕組みや、利回りが高いと言われる理由の全体像はボロ戸建て投資とは?利回りが高いと言われる理由とリスクで解説しています。
ボロ戸建て投資が「やめとけ」と言われる理由の多くは、物件選びの失敗に行き着きます。借り手のいない地域で買ってしまった、修繕費が想定を大きく超えた、売りたくても売れない土地だった、といった失敗です。なぜやめとけと言われるのか、その理由と判断基準はボロ戸建て投資はやめとけと言われる理由とは?後悔しないための判断基準で整理しています。
逆に言えば、物件選びの段階で「買ってはいけない物件」をきちんと除外できれば、失敗の多くは避けられます。ここからは、物件を選ぶときの判断基準を順番に見ていきましょう。
判断基準1:立地と賃貸需要で選ぶ
ボロ戸建て投資で最初に確認すべきなのは、建物の状態よりも「その場所に借りたい人がいるか」です。建物は修繕で直せますが、立地は後から変えられません。どれだけきれいに直しても、借り手がいなければ家賃収入は生まれません。
賃貸需要を見るポイント
- 周辺に職場、工場、学校、病院、商業施設など、人が住む理由になる場所があるか
- 車社会の地域なら、駐車場を確保できるか(できれば2台分あると有利になりやすい)
- 周辺の戸建て賃貸の掲載数と、長く空室のままの物件が多くないか
- 地域の人口や世帯数が、急に減っていく傾向にないか
- 地元の不動産会社が「この場所なら借り手がつく」と言ってくれるか
戸建ての賃貸は、ファミリー層や、ペットを飼いたい人、駐車場が複数ほしい人などに需要があることが多いです。アパートやマンションでは満たしにくいニーズを持つ人がいる地域かどうか、という視点で見るのがポイントです。
家賃の目安を先に調べる
物件を選ぶ前に、その地域の戸建て賃貸の家賃がどのくらいかを調べておきましょう。家賃の目安が分かれば、修繕にいくらまでかけられるか、利回りがどのくらいになりそうかを逆算できます。家賃相場の調べ方は空き家の家賃相場の調べ方|地方の戸建て賃貸の需要を見極めるで詳しく解説しています。
地域を絞り込むときの考え方
物件を探す範囲が広すぎると、地域ごとの家賃や需要の違いを把握しきれず、判断がぶれやすくなります。最初は、自分が通える範囲で2〜3つの地域に絞り、その地域の物件を繰り返し見るのがおすすめです。同じ地域の物件を何件も比べていくと、「この価格なら安い」「この立地なら借り手がつきやすい」といった相場観が身についていきます。地元の不動産会社と関係を作りやすくなるのも、地域を絞る利点です。
地域を見るときは、平日と休日、昼と夜など、時間帯を変えて現地を訪れてみるのも有効です。昼間は静かでも夜は街灯が少なく暗い、休日は近くの施設の利用者で道が混む、といったことは、物件情報からは分かりません。入居者の立場になって「ここに住みたいと思えるか」を考えてみると、賃貸需要を判断するうえでの大きな手がかりになります。
判断基準2:土地の条件で選ぶ
ボロ戸建ての価値は、建物よりも土地に左右される部分が大きいと言えます。建物はいずれ古くなりますが、土地の条件は出口の選択肢を大きく左右します。安い物件ほど、土地に何らかの事情を抱えていることが多いので、慎重に確認しましょう。
確認したい土地の条件
- 再建築の可否:建物を建てるための道路との接し方の条件を満たしているか
- 前面道路:車が入れる幅があるか、私道の場合は通行や工事の承諾が得られるか
- 区域の制限:市街化調整区域など、建て替えや用途に制限がかかる区域でないか
- 災害リスク:ハザードマップで浸水や土砂災害の区域に入っていないか
- 境界:隣地との境界がはっきりしているか
- がけ・擁壁:古い擁壁や高低差がないか
特に再建築の可否は重要です。再建築できない土地は、建物が使えるうちは賃貸として活用できても、建物が使えなくなったときの選択肢が限られ、売却も難しくなりがちです。価格が極端に安い理由が再建築不可であることも少なくありません。考え方の詳細は再建築不可の空き家は0円でも取得すべき?確認したいポイントを参考にしてください。土地の条件は、自治体の建築や都市計画の担当窓口で確認できることが多いので、判断に迷ったら専門家にも相談しましょう。
上下水道やガスなどの状況も確認する
見落としやすいのが、上下水道やガスといったインフラの状況です。下水道が通っていない地域では浄化槽を使っていることがあり、浄化槽が古い場合は交換や維持に費用がかかります。水道の引き込み管が細い、他人の土地を通って配管されている、といったケースもあります。こうした点は、物件の資料だけでは分からないことが多いため、不動産会社や自治体、ライフラインの事業者に確認しておきましょう。
判断基準3:建物の状態で選ぶ
ボロ戸建ては、多少傷んでいることが前提です。大切なのは「傷んでいるかどうか」ではなく、「直せる傷みか、直すと割に合わない傷みか」を見分けることです。
比較的直しやすい傷み
- 壁紙や床材の汚れ、はがれ
- 畳やふすま、障子の傷み
- キッチンや洗面台など、設備の古さ
- 部分的な建具の不具合
費用が大きくなりやすい傷み
- 屋根の傷みや雨漏り(内部の木材まで傷んでいることがある)
- シロアリや腐朽による土台・柱の傷み
- 基礎の大きなひび割れや、建物全体の傾き
- 給排水管の全面的な劣化や、浄化槽・下水の問題
- 外壁の広範囲にわたるひび割れや浮き
内装や設備の古さは、費用の見通しが立てやすく、工夫次第で抑えることもできます。一方、構造や雨漏り、配管に関わる傷みは、開けてみないと範囲が分からず、費用が大きく膨らむことがあります。物件を選ぶときは、構造に関わる傷みが少ない物件を優先するのが基本です。
傷みの範囲を判断するには
構造に関わる傷みがあるかどうかは、外から見えるサインである程度推測できます。天井や壁のシミ、床の沈みやきしみ、建具の開け閉めの重さ、外壁や基礎のひび割れ、床下点検口からのぞいたときの土台の状態などです。ただし、傷みがどこまで広がっているかは、専門家でないと判断しにくいものです。購入を真剣に検討する段階になったら、修繕を依頼する予定の工務店やリフォーム業者に同行してもらい、修繕の範囲と概算の費用を見てもらうと、判断の精度が上がります。
内見で具体的にどこを見ればよいかは空き家の内見チェックリスト|見ておきたい10のポイントでまとめています。この記事では内見の手順そのものではなく、「見つけた傷みを、買うかどうかの判断にどう使うか」という視点を持っておくことをおすすめします。
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判断基準4:修繕費を含めた総額で選ぶ
ボロ戸建て投資では、物件価格だけを見て安いと判断するのは危険です。判断の基準にすべきなのは、物件価格に、取得時の諸費用、修繕費、片づけ費用などを足した「総額」です。
総額から逆算する考え方
- 地域の家賃相場から、想定される家賃を控えめに見積もる
- 自分が目標とする利回りから、かけられる総額の上限を出す
- 上限から取得時の諸費用を差し引き、物件価格と修繕費に使える金額を出す
- 修繕費の見込みを引いて、物件にいくらまで出せるかを判断する
例えば、同じ地域に価格の違う2つの物件があるケースを考えてみましょう。一つは価格が安いものの雨漏りと床下の傷みがある物件、もう一つは価格はやや高いものの内装の手直しで貸せそうな物件です。物件価格だけを見ると前者が魅力的に見えますが、修繕費を含めた総額で比べると、後者のほうが安く済み、早く賃貸に出せることもあります。
修繕費の目安や、費用を抑える考え方はボロ戸建てのリフォーム費用はいくら?項目別の目安と抑え方で詳しく解説しています。また、利回りは表面利回りだけでなく、経費を差し引いた実質利回りで考えることが大切です。計算方法は利回りの計算方法|表面利回りと実質利回りの違いで整理しています。修繕費や諸費用は物件や地域、依頼先によって大きく変わるため、見積もりは複数の業者から取ることをおすすめします。
修繕費には予備を見込んでおく
古い建物は、工事を始めてから新たな傷みが見つかることがよくあります。壁や床をはがしたら、想定していなかった腐朽や配管の劣化が出てきた、というのは珍しくありません。そのため、修繕費の見積もりには、ある程度の予備を上乗せして総額を考えておくと安心です。予備を含めても利回りが成り立つかどうかを、買うかどうかの判断基準にしましょう。
判断基準5:出口を描けるかで選ぶ
物件を選ぶときは、買う時点で「最終的にどうするか」まで考えておくことが大切です。ボロ戸建ては、賃貸として運用している間に築年数がさらに進み、いずれ大きな修繕や建て替え、売却を考える時期が来ます。
- 賃貸として長く持ち続ける場合、将来の大きな修繕に耐えられるか
- 売却する場合、賃貸中のまま投資家に売れそうか、空き家にして住む人に売れそうか
- 建物が使えなくなった場合、更地にして土地として売れそうか
出口が複数描ける物件は、状況が変わっても対応しやすく、リスクを抑えやすいと言えます。反対に、再建築できない、需要が少ない、境界があいまいといった事情が重なる物件は、出口が一つも描けないこともあります。買う前に「この物件を自分以外の誰が欲しがるか」を考えてみると、出口の見通しがつかみやすくなります。
また、出口を考えるときは、地域の売買の動きも参考になります。同じ地域で古い戸建てや土地がどのくらいの価格で売りに出ているか、どのくらいの期間で売れているかを不動産会社に聞いておくと、将来売却する場合の見通しを立てやすくなります。売りに出ても長く売れ残っている物件が多い地域では、出口の選択肢が限られることを前提に、より慎重に判断しましょう。
買ってはいけないボロ戸建ての見分け方
ここまでの判断基準を踏まえて、買ってはいけない、または慎重に検討すべきボロ戸建ての特徴をまとめます。一つでも当てはまれば必ず見送るというわけではありませんが、複数が重なる物件は、初心者は避けたほうが無難です。
- 周辺に戸建て賃貸の需要がなく、不動産会社も借り手がつくか分からないと言う
- 再建築ができず、建物以外の活用方法も見当たらない
- 車が入れない道路の奥にあり、工事や引っ越しが難しい
- 雨漏りやシロアリ、基礎の傷みなど、構造に関わる問題が広範囲に見られる
- 建物が明らかに傾いていて、建具の開け閉めにも支障がある
- ハザードマップで災害リスクの高い区域にあり、保険や入居者の確保に不安がある
- 相続人が多数いるなど権利関係が複雑で、名義変更の見通しが立たない
- 修繕費を含めた総額が、周辺の家賃水準から見て回収できない
注意したいのは、「安いから」「利回りが高く見えるから」という理由だけで、こうした特徴に目をつぶってしまうことです。価格の安さには理由があるのが普通です。その理由が自分で対処できるものか、対処にどのくらいの費用と時間がかかるのかを見極めることが、物件選びの核心と言えます。
売主や仲介の説明の仕方にも注目する
物件そのものの特徴だけでなく、情報の出し方にも注意を向けましょう。建物の不具合や修繕の履歴について質問しても答えがあいまいなまま、内見の時間を十分に取らせてもらえない、契約を急がされる、といった場合は、何か伝えにくい事情がある可能性もあります。分からない点は書面で確認し、納得できるまで契約を進めない姿勢が大切です。
初心者が1件目に選びやすい物件の条件
初めてのボロ戸建て投資では、利回りの高さよりも、失敗しにくさを優先するのがおすすめです。1件目は経験を積む意味合いも大きく、無理のない物件で一通りの流れを体験することが、2件目以降の判断にも生きてきます。1件目に選びやすい物件の条件として、次のようなものが挙げられます。
- 戸建て賃貸の需要が確認でき、家賃の目安がはっきりしている地域にある
- 再建築ができ、車が入れる道路に接している
- 構造に関わる傷みが少なく、内装や設備の手直しが中心で済みそう
- 権利関係がシンプルで、名義変更の見通しが立っている
- 自分が通える範囲にあり、修繕や入居者募集の様子を確認しやすい
こうした条件を満たす物件は、価格が極端に安いことは少ないかもしれません。しかし、修繕費の見込み違いや空室のリスクを抑えやすく、結果として安定した運用につながりやすいと言えます。条件の厳しい物件に挑戦するのは、経験を積んで判断に自信がついてからでも遅くありません。
物件選びを進める手順
判断基準が分かっても、実際にどの順番で確認していけばよいか迷う人も多いでしょう。効率よく物件を絞り込むための手順の一例を紹介します。
- 狙う地域を決め、戸建て賃貸の家賃の目安と需要をつかむ
- 物件情報を見て、立地と土地の条件で明らかに合わないものを外す
- 残った物件について、再建築の可否や区域、災害リスクを確認する
- 現地で建物の状態を確認し、直しやすい傷みか、大きな修繕が必要かを見極める
- 必要に応じて業者に同行してもらい、修繕費の概算を出す
- 総額と想定家賃から利回りを試算し、出口も含めて判断する
この順番で進めると、手間のかかる現地確認や見積もりを、見込みのある物件だけに絞ることができます。最初のうちは判断に時間がかかりますが、何件も比べていくうちに、物件情報を見ただけで「これは厳しい」「これは見に行く価値がある」と判断できるようになっていきます。
よくある質問
ボロ戸建ては、築年数で選ぶべきですか?
築年数は目安の一つですが、それだけで判断するのはおすすめできません。同じ築年数でも、管理の状態や建てられ方によって傷み具合は大きく異なります。築年数よりも、構造に関わる傷みがあるかどうか、立地と土地の条件が良いかどうかを重視しましょう。
利回りが高い物件を選べば安心ですか?
利回りが高く見える物件ほど、修繕費や空室のリスクを抱えていることがあります。表面利回りだけで判断せず、修繕費を含めた総額、経費、空室の可能性を考えた実質的な収支で比べることが大切です。
遠方のボロ戸建てを選んでも大丈夫ですか?
遠方の物件でも運用は可能ですが、修繕の手配や入居者対応を現地の業者や管理会社に任せる体制が必要になります。最初の1件目は、自分で通える範囲の物件を選ぶほうが、状況を把握しやすく、判断の経験も積みやすいでしょう。
戸建てと一棟アパート、どちらから始めるべきですか?
どちらが向いているかは、融資を受けられるかどうかといった属性や、投資にかけられる時間によって変わります。自己資金を抑えて少額から始めたい場合は、戸建てが選択肢になりやすいと言えます。自分の状況に合わせて検討しましょう。
物件探しから購入まで、どのくらい時間がかかりますか?
地域や探し方、物件の状況によって大きく変わります。条件に合う物件がすぐに見つかることもあれば、何か月も比べ続けることもあります。期限を決めて焦って買うよりも、判断基準に合う物件が出てくるまで待つ姿勢のほうが、失敗は少なくなります。
まとめ
ボロ戸建て投資の成否は、物件選びでかなりの部分が決まります。選ぶときは、立地と賃貸需要、土地の条件、建物の状態、修繕費を含めた総額、出口の描きやすさという5つの視点で判断しましょう。建物は直せても、立地と土地の条件は後から変えられません。まずは「借り手がいる場所か」「土地に大きな問題がないか」を確認し、そのうえで建物の傷みが直せる範囲かを見極めるのが基本の順番です。
価格の安さや表面上の利回りの高さに引かれて、買ってはいけない物件の特徴に目をつぶらないことが大切です。土地の条件や税金、登記に関わる部分は、自治体や専門家に確認しながら進めてください。焦らず、何件も比べて判断の経験を積んでいくことが、ボロ戸建て投資で失敗しないための近道です。
ゼロイエでは、空き家(主に戸建)を0円で取得し、貸すか売るかで収益を手にするための知識とノウハウを、全国的な会員組織を通じて学べる仕組みを提供しています。詳しくは会社概要やゼロイエとはのページをご覧ください。
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【ご注意】
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の物件・個人に対する税務・法律・会計上の助言ではありません。税金・登記・法令・補助制度などは、物件の所在地や個別の状況、制度改正によって内容が異なります。実際の取引や運用にあたっては、税理士・司法書士・弁護士・不動産の専門家などにご相談のうえ、最新の公的情報をご確認ください。また、本記事内の数値は一般的な例や仮の試算であり、収益や成果を保証するものではありません。
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