「ボロ戸建て投資」を調べていると、「やめとけ」「やめたほうがいい」という意見を目にすることがあります。少額から始められる手法として注目される一方で、こうした否定的な声も根強くあります。
この記事では、なぜ「やめとけ」と言われるのか、実際によくある失敗のパターン、そして後悔しないために取得前に確認しておきたいことを整理します。あわせて、向いている人・向いていない人の違いや、撤退ラインの決め方、最初の1軒の進め方まで解説しますので、始めるかどうかを判断する材料にしてください。
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なぜ「やめとけ」と言われるのか
「やめとけ」という意見は、頭ごなしにボロ戸建て投資を否定しているわけではなく、多くの場合、次のような実情を踏まえた指摘です。
修繕箇所の見極めに知識と経験が必要
修繕箇所の見極めには一定の知識や経験が必要で、素人判断で甘く見積もると、後から追加費用がかさみやすいという点です。築年数の古い戸建ては、屋根、外壁、基礎、給排水管、電気設備など、確認すべき箇所が多く、どこにどれだけ費用がかかるかを見通すのは簡単ではありません。表面上きれいに見えても、床下や壁の中に問題を抱えていることもあります。
自分で動く場面が多く、手間がかかる
物件探しから修繕の手配、入居者募集、入居後の対応まで、自分で動く場面が多く、片手間ではこなしきれないことがあります。新築や築浅の物件を管理会社に任せる投資と比べると、所有者が判断し、手配しなければならない場面が多いのが特徴です。特に最初の1軒は、業者探しや手続きのたびに調べながら進めることになり、想像以上に時間を取られることがあります。
利回りの高さだけが注目されやすい
利回りの高さにばかり注目し、需要や法的な制約の確認を後回しにして、取得後に困る例が語られやすいことも理由の一つです。物件価格が安いほど利回りは高く見えますが、その数字にはリフォーム費や空室の期間、運営中の費用が十分に反映されていないことが少なくありません。利回りの見方については、空き家投資の利回りの目安は?表面利回りだけで判断しない考え方でも整理しています。
つまり、「準備や知識が不足したまま始めると、失敗しやすい投資手法」という意味で使われていることが多いようです。手法そのものに問題があるというより、取り組み方による部分が大きいといえます。
実際によくある失敗のパターン
よく語られる失敗には、いくつかの共通した傾向があります。
修繕費が想定の2倍、3倍に膨らむ
床下や屋根裏、給排水管など、契約前の内見だけでは見えない部分の傷みは、解体や着工後に判明することが少なくありません。見積もりの時点で、ある程度の余裕を見込んでおく必要があります。例えば、壁紙を張り替えるつもりで剥がしたら下地が腐っていた、水回りを交換しようとしたら配管ごと替える必要があった、といったケースです。こうした追加工事は、工事が始まってから判断を迫られることが多く、断りにくいのも難しいところです。リフォーム費用の項目ごとの考え方はボロ戸建てのリフォーム費用はいくら?項目別の目安と抑え方で解説しています。
入居者がなかなか決まらない
安く取得できても、周辺にそもそも賃貸需要がなければ、空室期間が長引きます。空室の間も固定資産税や保険料はかかり続けるため、収支計画が崩れる原因になります。戸建ては1軒で1つの住戸なので、空室になれば家賃収入はゼロです。需要を確かめずに「安いから」という理由だけで取得すると、この状態が長く続くことがあります。周辺の家賃や需要の調べ方は空き家の家賃相場の調べ方|地方の戸建て賃貸の需要を見極めるを参考にしてください。
再建築不可や接道義務の確認漏れ
取得後に「建て替えができない」「大規模な修繕に制限がある」と分かり、将来の出口(売却や建て替え)の選択肢が狭まるケースです。こうした物件は価格が安くなりやすく、一見お得に見えますが、売却しにくい、融資を受けにくいといった弱点を抱えています。条件を理解したうえで取得するのであれば問題ありませんが、知らずに取得してしまうと、後から打てる手が限られます。
近隣とのトラブル
長く空き家だった物件では、境界や越境物(木の枝、塀など)をめぐる話し合いが、取得後に必要になることがあります。草木の繁茂や建物の傷みについて、近隣の方が不満を抱えていることもあります。取得後は所有者として対応する立場になるため、内見の際に周囲の状況も確認し、可能であれば近隣の様子を把握しておくと安心です。
残置物の処分に想定外の費用がかかる
前の所有者の家財が残ったまま引き渡され、処分費用や手間が後から発生することがあります。家具や家電、衣類、食器などが大量に残っている場合、量や地域、搬出のしやすさによって費用は大きく変わります。取得前に、どこまで残っているのか、誰が処分するのかを確認しておきましょう。
資金が途中で足りなくなる
取得費用とリフォーム費用で手元の資金をほぼ使い切ってしまい、追加工事や空室期間の固定費に対応できなくなるケースもあります。工事を途中で止めざるを得なくなったり、入居者募集を始められなかったりすると、収入が入らないまま費用だけがかかる状態になります。資金に余裕を残した状態で始めることが、結果として失敗を防ぐことにつながります。
いずれも、取得前の調査を丁寧に行っていれば、避けられた、あるいは費用としてあらかじめ織り込めたはずの内容です。ここで挙げた失敗は、物件の良し悪しよりも、確認の順番や見積もりの甘さから生じていることがほとんどです。
後悔しないために、取得前に確認すべきこと
失敗のパターンを踏まえると、取得前に確認しておきたいことは次の5つに整理できます。
①建物の状態(屋根・外壁・基礎・水回りなど)を、できれば専門家の同行を得て確認する:雨漏りの跡、床の傾きやきしみ、シロアリの被害、水回りの劣化などは、修繕費を大きく左右します。自分だけで判断が難しい場合は、リフォーム業者などに同行してもらい、概算の見積もりを取っておくと、取得後の費用の見通しが立てやすくなります。
②登記事項証明書を取得し、権利関係や抵当権の有無を確認する:所有者が誰なのか、相続の登記が済んでいるか、抵当権などの権利が残っていないかを確認します。権利関係が複雑な場合は、司法書士に相談しましょう。
③接道状況や再建築の可否など、法的な制約を確認する:自治体の建築や都市計画の担当窓口で、道路の種類や接道の状況、建築に関する制限を確認できます。分からない点は不動産会社などの専門家にも確認してください。
④周辺の家賃相場と、実際の賃貸需要を調べる:ポータルサイトで似た条件の物件の募集状況を確認するほか、地元の不動産会社に「この地域でこの物件なら、どのくらいの家賃で貸せそうか」を聞いてみると、現実的な見込みがつかめます。
⑤修繕費・諸費用・予備費を含めた資金計画を立てる:物件価格だけでなく、登記費用や税金、残置物の処分、リフォーム費用、空室期間の固定費まで含めて計画し、想定外の出費に備えて予備費も確保しておきます。
あわせて、将来手放す場合の見通しも考えておくと安心です。貸し続けるのか、一定期間の後に売却するのか、その地域で古い戸建てを買いたい人がいるのかを、地元の不動産会社に聞いてみるとよいでしょう。出口の見通しが立たない物件は、運営中の収支が良くても、長く持ち続けることになる可能性があります。
内見でのチェックポイントは空き家の内見チェックリスト|見ておきたい10のポイント、所有者の調べ方は空き家の所有者を調べる方法|登記事項証明書の取り方と連絡の進め方で詳しく解説しています。
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「やめとけ」と言われる投資手法との向き合い方
不動産投資に限らず、「やめとけ」という意見は、何らかのリスクや手間が伴う手法であれば、必ずといってよいほど存在します。大切なのは、その意見を鵜呑みにして最初から選択肢から外すことでも、逆に意見を無視して準備不足のまま進めることでもなく、指摘されている理由を具体的に理解したうえで、自分なりに対策できるかどうかを考えることです。
例えば、「修繕費が想定以上にかかる」という指摘であれば、事前に専門家の同行を得て建物を確認する、見積もりに一定の余裕を持たせる、といった対策が考えられます。「需要が弱い」という指摘であれば、取得前に周辺の家賃相場や募集状況を調べることで、ある程度は見極められます。指摘の一つひとつに、具体的な対策があるかどうかを確認していく姿勢が、後悔を減らすことにつながります。
また、意見を発信している人がどのような立場なのかも見ておくとよいでしょう。新築や区分マンションなど別の手法を中心にしている人と、実際に古い戸建てを運営している人とでは、同じ「やめとけ」でも前提が違います。誰が、どのような経験から言っているのかを意識すると、自分に当てはまる指摘かどうかを判断しやすくなります。
情報を集めるときは、ネット上の意見だけでなく、物件のある地域の不動産会社やリフォーム業者など、現場を知っている人の話も聞いてみることをおすすめします。同じボロ戸建てでも、地域の需要や工事の事情によって、成り立つかどうかは大きく変わるからです。
ボロ戸建て投資が向いている人・向いていない人
ボロ戸建て投資に向いているかどうかは、資金の多さよりも、時間の使い方や考え方による部分が大きいといえます。次のような観点で、自分に当てはまるかを考えてみてください。
向いている人の特徴
・物件の調査や業者とのやりとりに、ある程度の時間を割ける
・想定外の出来事があっても、原因を調べて一つずつ対処していける
・すぐに大きな収益を求めず、1軒ずつ経験を積むことを前提にできる
・融資に頼らず、手元の資金の範囲で始めたいと考えている
慎重に考えたほうがよい人の特徴
・手間をかけずに、すべてを人に任せて運用したい
・予備費を確保できず、追加の出費があると生活に影響が出る
・短期間でまとまった収益を得ることを期待している
後者に当てはまる場合でも、絶対にできないというわけではありません。ただ、時間や資金の余裕がない状態で始めると、問題が起きたときに冷静に対処しにくくなります。戸建て賃貸と一棟アパートのどちらを選ぶかも、融資を受けられる属性や、使える時間によって変わってきます。自分の状況に合う手法かどうかを、焦らずに見極めることが大切です。
取得前に「撤退ライン」を決めておく
後悔しないための考え方として、取得前に「ここを超えたらやめる」という撤退ラインを決めておく方法があります。物件を見て気に入ると、多少の問題には目をつぶりたくなるものです。事前に基準を決めておけば、その場の気持ちに流されにくくなります。
例えば、次のような基準を自分なりに決めておくことが考えられます。
・取得とリフォームにかけるお金の上限(予備費を含めて、いくらまでなら出せるか)
・想定家賃から考えて、何年程度でかけたお金を回収できる見込みがあるか
・再建築不可や雨漏りなど、見つかったら取得を見送る条件
・家賃が想定より下がった場合や、空室が長引いた場合でも、耐えられるか
例えば、取得とリフォームに使えるお金の上限を300万円、予備費をそのうち50万円と決めていたとします。内見と見積もりの結果、物件の取得費用と工事費の合計が280万円になりそうなら、予備費を含めると上限を超えるため、工事の範囲を減らすか、取得を見送るかを検討することになります。この数字はあくまで考え方を示すための仮のもので、実際の費用は物件や地域によって大きく変わります。
撤退ラインは、取得前だけでなく、工事中にも役立ちます。追加工事の提案を受けたときに、上限を超えるなら工事の範囲を見直す、といった判断がしやすくなるからです。
取得後に起こりやすい想定外と備え方
「やめとけ」と言われる理由は取得前の失敗だけではありません。貸し出した後にも、古い戸建てならではの出来事が起こることがあります。事前に知っておけば、慌てずに対応できます。
設備の故障が続く
給湯器やトイレ、換気扇、エアコンなどの設備は、古い物件ほど故障しやすくなります。入居者からの連絡を受けたら、所有者として修理を手配する必要があります。貸し出す前に、交換の時期が近い設備を把握し、運営中の修繕費として毎年一定額を見込んでおくと安心です。
入居者との連絡や対応の手間
自分で管理する場合、入居者からの問い合わせや、家賃の入金確認、更新や退去の手続きにも対応することになります。遠方の物件や、本業が忙しい場合は、管理会社への委託も選択肢になります。委託すれば費用はかかりますが、その分を収支計画に入れておけば、手間を減らすことができます。
退去後の原状回復と再募集
入居者が退去すると、クリーニングや補修を行い、再び入居者を募集します。その間は家賃が入らないため、退去が出ることを前提に、空室期間と原状回復の費用を見込んだ資金計画を立てておきましょう。
それでも検討する価値がある人
「やめとけ」と言われる理由の多くは、準備不足や見通しの甘さに起因するものです。逆にいえば、調査や資金計画を丁寧に行い、手間をかけることをいとわない方であれば、少額から不動産投資を始める選択肢として検討する余地はあります。重要なのは、手法の良し悪しではなく、ご自身の時間の使い方や性格に合っているかどうかです。
検討する場合は、いきなり大きな金額をかけるのではなく、まずは小さく始めて経験を積むのが現実的です。最初の1軒では、次のような順番で進めると、失敗したときの影響を小さく抑えやすくなります。
①検討する地域を絞り、家賃相場と賃貸需要を調べる。
②撤退ラインを決めたうえで、物件を探し、内見を重ねる。
③候補の物件は、建物の状態・権利関係・法的な制約を確認し、見積もりを取る。
④基準に収まる物件だけを取得し、必要最小限のリフォームで貸し出す。
⑤運営を通じて、費用や手間の実感をつかみ、次の判断に生かす。
1軒目で得た経験は、2軒目以降の物件選びや見積もりの精度に直結します。最初から利益を最大にしようとするよりも、大きな失敗をしないことを優先し、学びながら進めることが、長く続けるうえでの近道です。
よくある質問
「やめとけ」と言われても、挑戦する人はいますか?
います。時間をかけて調査や資金計画を行い、1軒ずつ経験を積みながら取り組んでいる方もいます。大切なのは、否定的な意見の背景にある理由を理解したうえで、自分なりの対策を講じることです。
失敗を防ぐために、最も重要なことは何ですか?
取得を急がないことです。気になる物件が見つかっても、建物の状態・権利関係・需要の3点を確認してから判断する習慣をつけることで、多くの失敗は防げる可能性があります。
専門家に相談したほうがよいのは、どのタイミングですか?
修繕費の見積もりは施工業者、権利関係や登記は司法書士、税金は税理士など、気になる段階でそのつど専門家に確認するのが安心です。取得を決める前の相談であれば、多くの場合、大きな負担にはなりません。
DIYができないと、ボロ戸建て投資は難しいですか?
DIYができなくても取り組むことはできます。工事を業者に依頼すれば費用はかかりますが、その分を資金計画に織り込んでおけば問題ありません。むしろ、慣れないDIYで仕上がりが悪くなったり、時間がかかって空室期間が延びたりすることもあるため、自分でやる部分と業者に任せる部分を分けて考えるのが現実的です。
0円や格安の物件なら、失敗しても損は小さいのでは?
物件価格が安くても、登記費用や税金、残置物の処分、リフォーム費用、運営中の固定費はかかります。取得した後に「使い道がない」「売れない」と分かった場合、固定資産税や管理の手間を負担し続けることにもなります。物件価格の安さだけで判断せず、取得後にかかる費用と出口まで含めて考えることが大切です。
まとめ
「ボロ戸建て投資はやめとけ」と言われる背景には、修繕費の見誤りや需要調査の不足など、準備段階での落とし穴があります。裏を返せば、取得前の確認を丁寧に行い、撤退ラインを決めておくことで、避けられる失敗も少なくありません。向いているかどうかは、時間の使い方や考え方によるところが大きいため、自分の状況と照らし合わせて判断してください。
手法の概要はボロ戸建て投資とは?利回りが高いと言われる理由とリスク、失敗全般のパターンは空き家投資で失敗しやすい7つのパターンと避け方、空き家投資全体への「やめとけ」については空き家投資はやめとけと言われる理由|それでも取り組む人が見ている条件もあわせてご覧ください。
ゼロイエでは、空き家(主に戸建)を0円で取得し、貸すか売るかで収益を手にするための知識とノウハウを、全国的な会員組織を通じて学べる仕組みを提供しています。詳しくは会社概要やゼロイエとはのページをご覧ください。
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【ご注意】
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の物件・個人に対する税務・法律・会計上の助言ではありません。税金・登記・法令・補助制度などは、物件の所在地や個別の状況、制度改正によって内容が異なります。実際の取引や運用にあたっては、税理士・司法書士・弁護士・不動産の専門家などにご相談のうえ、最新の公的情報をご確認ください。また、本記事内の数値は一般的な例や仮の試算であり、収益や成果を保証するものではありません。
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