不動産投資には、戸建て賃貸、一棟アパート、区分マンションなど、さまざまな種類があります。「どれが一番よいか」と聞かれることも多いのですが、優劣というより、ご自身の状況に合うかどうかで選ぶものです。この記事では、それぞれの特徴を、属性(融資が使えるか)と使える時間という2つの軸で整理します。
あわせて、3つの手法の収入と支出の構造の違い、区分マンションをおすすめしにくい理由、自分の属性と時間を棚卸しする手順、タイプ別の考え方の例も紹介します。広告や営業トークに流されず、自分の条件から手法を選ぶための判断材料としてお使いください。
▶︎ 戸建0円ゲット 5日間LINE無料講座(空き家を0円で取得し、家賃収入をつくる方法をLINEで学べます)
※LINE登録後に、税込4,900円の有料セミナーのご案内が通知される場合があります。
3つの投資手法の特徴
まずは、3つの手法がそれぞれどのようなものかを、ごく簡単に押さえておきましょう。
- 戸建て賃貸:物件価格が低めで、少額から始められる場合がある。物件探しや修繕の手配など、自分で動く場面が多く、手間がかかる。
- 一棟アパート:金額が大きく、多くの場合は融資を利用する。複数の部屋があるため、一部が空室でも収入がゼロにならないが、融資審査で属性が重視される。
- 区分マンション:管理や修繕を管理組合に任せられる反面、収益性が上がりにくい傾向がある。
戸建て賃貸の特徴
戸建て賃貸は、一戸建ての住宅を取得して、主にファミリー世帯に貸し出す方法です。地方や郊外の築年数の古い物件であれば、取得価格が低く、場合によっては空き家を無償に近い条件で譲り受けるケースもあります。土地と建物をまるごと所有するため、修繕の方法や時期、貸し方を自分で決められる自由度の高さが特徴です。その一方で、1戸しかない物件が空室になれば、家賃収入はゼロになります。しくみの全体像は、戸建て賃貸経営とは?初心者向けにしくみとメリット・デメリットを解説で詳しく整理しています。
一棟アパートの特徴
一棟アパートは、建物全体と土地を所有し、複数の部屋を貸し出す方法です。部屋数があるぶん家賃収入の合計が大きくなり、空室のリスクも分散されます。ただし、物件価格が大きいため、多くの場合は金融機関からの借入れを前提とします。返済額が毎月発生するため、空室が重なった時期や、大規模な修繕が必要になった時期の資金繰りに注意が必要です。また、外壁や屋根、給排水設備などの修繕も、建物が大きいぶん金額が大きくなる傾向があります。
区分マンションの特徴
区分マンションは、マンションの一室だけを所有して貸し出す方法です。共用部分の管理や建物全体の修繕は管理組合が行うため、所有者が自分で動く場面は少なくなります。その代わりに、毎月の管理費と修繕積立金を払い続ける必要があり、金額や値上げの判断を自分だけで決めることはできません。土地は持分としてしか持てないため、建物が古くなったときの扱いも、自分だけの判断では進められません。
収入と支出の構造で比べる
手法を比べるときは、「物件価格」や「利回り」の数字だけでなく、お金がどこから入ってどこへ出ていくのかという構造で見ると違いがはっきりします。利回りの計算方法そのものは、利回りの計算方法|表面利回りと実質利回りの違いで解説しています。
収入の入り方の違い
- 戸建て賃貸:1戸ごとの家賃。入居中は安定しやすいが、退去すると収入がゼロになる。戸数を増やすことで分散していく。
- 一棟アパート:部屋数分の家賃の合計。一部の空室では収入がゼロにならないが、満室を前提にした計画は崩れやすい。
- 区分マンション:1室分の家賃。退去すれば収入がゼロになる点は戸建てと同じ。
出ていくお金の違い
- 戸建て賃貸:固定資産税、火災保険料、修繕費。修繕は必要なときに、必要な分だけ自分で判断して行う。現金で取得すれば借入れの返済はない。
- 一棟アパート:借入れの返済、固定資産税、火災保険料、管理委託料、共用部分の清掃や電気代、修繕費。金額の大きな修繕に備えた積み立てが必要になる。
- 区分マンション:借入れの返済(利用した場合)、管理費、修繕積立金、固定資産税、賃貸管理の手数料など。入居者の有無に関係なく、毎月の固定費が続く。
このように並べると、毎月の固定費が家賃の何割を占めるか、空室のときに手元からいくら出ていくかが、手法によって大きく違うことが分かります。実際の金額は物件や地域で大きく変わるため、検討する物件ごとに、家賃から差し引く費用を一つずつ書き出して試算することが大切です。
比較するときに見落としやすいこと
手法を比べるときに、つい見落としがちな点をまとめました。検討中の物件や手法に当てはめて確認してみてください。
- 表面利回りだけで比べている:家賃の合計を物件価格で割っただけの数字には、固定費や修繕費、空室が含まれていません。
- 満室を前提にしている:退去から次の入居までの期間を、一定の割合で見込んでおく必要があります。
- 自分の手間を計算に入れていない:自分で動いた時間は費用として出てきませんが、続けられるかどうかに直結します。
- 予備費を用意していない:古い建物では、給湯器の故障や雨漏りなど、急な出費が起こり得ます。
- 売る人の説明だけで判断している:物件を勧める側の試算は、条件がよい前提で作られていることがあります。数字は自分で計算し直しましょう。
判断軸①:属性(融資が使えるか)
一棟アパートのように大きな金額を扱う投資は、融資を利用することが一般的です。金融機関の審査では、年収や勤務先、資産状況といった属性が重視されるため、希望しても融資を受けられない場合があります。一方、少額で取得できる戸建てなら、融資に頼らず始められる場合があります。
属性として見られやすいこと
審査の基準は金融機関ごとに異なり、公表されていない部分も多いため、あくまで一般的に見られやすい項目として紹介します。
- 年収と、その安定性(勤続年数、勤務先、雇用形態など)
- 預貯金などの金融資産と、自己資金として出せる金額
- 住宅ローンやカードローンなど、すでにある借入れの状況
- 物件そのものの評価(担保としての価値、収益の見込み)
- 不動産賃貸の経験や、確定申告での実績
自分がどの程度の融資を受けられそうかは、思い込みで判断せず、取引のある金融機関に相談して確かめるのが確実です。会社員の方が副業として始める場合の注意点は、会社員が副業で空き家投資を始めるには?会社への影響と注意点もあわせてご覧ください。
融資を使うことの意味
融資を使えば、手元の資金より大きな物件を持てるため、家賃収入の規模を早く大きくできる可能性があります。その反面、返済は空室でも止まりません。金利の上昇や想定外の修繕が重なると、手元の資金から返済を補う必要が出てきます。融資は「使えるかどうか」だけでなく、「返済を続けられる余力があるか」までを含めて考えることが大切です。
判断軸②:使える時間・手間をかけられるか
戸建て賃貸は、物件探しから修繕、募集までを自分で進める場面が多く、時間がかかる傾向があります。反対に、忙しくて時間をかけられない方は、管理を外部に任せやすい形を選ぶ必要があります。
戸建て賃貸で時間がかかる場面
- 物件探し:空き家バンク、不動産会社、所有者への相談など、情報を集めて問い合わせる
- 現地の確認:建物の傷み具合、周辺環境、賃貸需要を自分の目で確かめる
- 修繕の手配:見積もりを取り、工事の範囲を決め、進み具合を確認する
- 入居者の募集:家賃を決め、不動産会社に募集を依頼する
- 入居後の対応:設備の故障や退去時の原状回復などに対応する
特に最初の1軒は、分からないことを調べながら進めるため、平日の夜や週末を使っても数か月単位の時間がかかることがあります。2軒目以降は、やり方が分かり、相談できる業者も見つかっているため、手間が減っていくのが一般的です。時間をかけられるかどうかは、今の仕事の忙しさだけでなく、家族の協力が得られるか、数年単位で取り組み続けられるかも含めて考えておきましょう。短期間で結果を求めるほど、無理な物件選びや修繕の手抜きにつながりやすくなるため、時間の見通しは余裕を持って立てることが大切です。
時間が足りないときの工夫
時間が限られていても、戸建て賃貸をあきらめる必要があるとは限りません。入居後の管理を管理会社に任せる、修繕を地元の工務店にまとめて依頼する、自宅から通える範囲の物件に絞る、といった工夫で手間を減らせます。ただし、任せる範囲が広がるほど費用がかかり、収支は下がります。どこまでを自分で行い、どこからを任せるかを、収支とあわせて決めておきましょう。離れた場所の物件を運営する場合の考え方は、遠方の空き家は賃貸に出せる?離れた物件の運営の考え方で整理しています。
空き家投資を、動画でも無料で学べます
椙田拓也のYouTubeチャンネル
「空き家起業家│椙田拓也のビジネス大学」
空き家の探し方、リフォーム、客付け、出口戦略まで、空き家投資・戸建て投資のノウハウを動画で無料公開しています。文章で読んだ内容を、実際の事例つきの動画でも確認できます。毎週更新しています。
区分マンションについて
区分マンションは手軽に見えますが、一般に収益性が上がりにくく、節税を目的に赤字を出す運用は、金融機関から事業としての評価を受けにくいとされています。将来的に規模を拡大したい方は、この点に注意が必要です。当サイトでは、こうした理由から、区分マンションを投資の入り口としておすすめしていません。
おすすめしにくい理由
- 固定費が下がらない:管理費と修繕積立金は、築年数がたつにつれて上がることがあり、所有者一人の判断では下げられません。
- 家賃は下がりやすい:建物が古くなると家賃が下がる傾向がある一方、固定費は残るため、手残りが少なくなりやすい構造です。
- 自分で価値を高めにくい:室内のリフォームはできても、建物全体や共用部分は管理組合の決定に従う必要があります。
- 「節税になる」という説明への注意:赤字によって税金が減るように見えても、手元の現金が減っていれば、事業としてはうまくいっていません。
勧められたときに確認したいこと
電話や紹介などで区分マンションを勧められた場合は、その場で決めず、次の点を書面で確認しましょう。毎月の家賃から、返済、管理費、修繕積立金、管理手数料、固定資産税を差し引くと、手元にいくら残るのか。修繕積立金の値上げの予定はあるのか。家賃保証がある場合、保証額の見直しの条件はどうなっているのか。そして、売却するとしたらいくらで売れそうか。これらに明確な答えがない場合は、見送るのが無難です。税金の扱いは、税理士などの専門家に確認してください。
出口(売却・持ち続ける)の考え方の違い
不動産投資は、買うときだけでなく、手放すときや持ち続けるときのことも考えておく必要があります。手法ごとに、出口の選択肢の広さが異なります。
- 戸建て賃貸:賃貸を続けるほか、入居者や近隣の方への売却、建物を解体して土地として売る、自宅として使うなど、選択肢が比較的広くあります。取得価格が低ければ、売却価格が大きく下がっても損失が限られやすい点も特徴です。
- 一棟アパート:収益物件として投資家に売却するのが一般的です。売却価格は、家賃収入や入居状況、金利の動きなどに左右され、借入れが残っている場合は残債を返せる価格で売れるかが重要になります。
- 区分マンション:売却の相手は投資家か、自分で住む人に限られます。築年数が進むと、管理費や修繕積立金の負担が買い手から敬遠され、価格が下がりやすい傾向があります。
売却の見込みは、地域の取引事例や不動産会社への相談で確かめましょう。売却益にかかる税金は保有期間などで扱いが変わるため、税理士などの専門家に確認しておくと安心です。
自分の属性と時間を棚卸しする手順
戸建てか一棟かを決める前に、自分の条件を紙に書き出してみると、判断がぶれにくくなります。次の順番で整理してみてください。
- 自己資金:生活防衛資金を除いて、投資に回せる現金はいくらか
- 融資の見込み:金融機関に相談した結果、借入れの可能性はどの程度か
- 時間:1週間のうち、物件探しや現地確認に使える時間はどのくらいか
- 行動範囲:自宅から無理なく通える地域はどこまでか
- 目標:毎月の手取りをどのくらい増やしたいか、何年かけて達成したいか
- 許容できるリスク:空室や修繕で一時的に持ち出しが出ても、生活に影響しない金額はいくらか
書き出してみると、「融資は使えそうだが時間がない」「時間はあるが資金が少ない」といった、自分の位置が見えてきます。家族と共有しておくと、あとで意見が分かれることも防げます。
こんな考え方で選ぶ
- 融資を受けやすい属性があり、時間があまり取れない場合:一棟アパートなど、融資を活用する手法を検討する
- 融資は使いにくいが、時間をかけて学びながら進められる場合:少額で始められる戸建て賃貸を検討する
- どちらとも決められない場合:自分の属性と時間を整理したうえで、専門家や経験者に相談する
タイプ別の考え方の例
ここからは、仮の例として、いくつかのタイプごとの考え方を紹介します。実際の判断は、一人ひとりの状況によって異なります。
例えば、自己資金は少ないものの、週末に時間を取れる会社員のケースでは、取得価格の低い地方の戸建てを現金で取得し、必要な範囲で修繕して貸し出す方法が検討しやすいでしょう。借入れの返済がないため、空室の期間があっても、生活への影響を抑えやすくなります。少額から始める考え方は、少額から始める不動産投資|自己資金を抑えて戸建てを持つ選択肢で解説しています。
例えば、収入が安定していて融資を受けやすい一方、仕事が忙しく現地に通う時間が取れないケースでは、融資を活用して管理を任せやすい一棟物件を検討する考え方もあります。その場合も、返済を含めた収支を自分で確認し、空室や金利の変化に耐えられるかを見ておく必要があります。
例えば、最初は戸建てで経験を積み、家賃収入と確定申告の実績ができてから、次の段階を考えるという進め方もあります。最初の1軒で、物件探し、修繕、募集、管理の流れを一通り経験しておくと、その後どの手法を選ぶ場合でも判断の精度が上がります。
ゼロイエは、戸建てを中心とした空き家活用を学べるスクールです。融資を活用した規模の大きい不動産投資を検討する場合は、金融機関や専門家に相談しながら、ご自身の属性と返済の余力を確かめて進めることが大切です。ご自身の希望に合う方法を選びましょう。
よくある質問
戸建てとアパート、どちらが空室リスクは小さいですか?
一棟アパートは部屋数があるぶん、空室が1室出ても収入がゼロにはなりません。一方、戸建ては1戸ごとの空室の影響は大きいものの、ファミリー世帯が長く住む傾向があるとされ、地域によっては賃貸の戸建ての供給が少ないこともあります。どちらが有利かは、地域の需要と物件次第です。周辺の家賃相場や募集状況を調べたうえで判断しましょう。
融資が使えないと、不動産投資はできませんか?
取得価格の低い戸建てであれば、借入れをせずに現金で始められる場合があります。ただし、取得費用のほかに、登記費用、修繕費、税金、保険料なども必要です。物件価格だけでなく、全体の費用を見込んだうえで、無理のない範囲で始めることが大切です。
区分マンションを持っている場合はどうすればよいですか?
まず、毎月の家賃から返済、管理費、修繕積立金などを差し引いた手残りと、売却した場合の見込み額を確認しましょう。持ち続けるか、売却するかは、残っている借入れや税金の扱いによって変わります。個別の判断は、不動産会社や税理士などの専門家に相談してください。
最初の1軒は、どの手法から始めるのがよいですか?
決まった正解はありません。この記事で紹介した属性と時間の2つの軸で、自分の位置を確認するところから始めてください。少額から自分の手で経験を積みたい方には、戸建て賃貸が選択肢になります。安く取得できる古い戸建てについては、ボロ戸建て投資とは?利回りが高いと言われる理由とリスクも参考になります。
戸建てで始めたあと、一棟に進むことはできますか?
戸建てで賃貸経営の経験を積み、家賃収入と確定申告の実績ができてから、融資を使った物件を検討する方もいます。ただし、融資の可否は、その時点の属性や物件の評価、金融機関の方針によって変わります。規模を広げるかどうかは、手元の資金と返済の余力、使える時間を改めて確認したうえで判断しましょう。戸建ての戸数を少しずつ増やしていく進め方も選択肢の一つです。
まとめ
戸建て賃貸、一棟アパート、区分マンションには、それぞれ特徴があり、どれが優れているかは一概に言えません。ただし、区分マンションは固定費が下がらず収益性が上がりにくいため、当サイトでは投資の入り口としておすすめしていません。戸建てか一棟かは、属性(融資が使えるか)と、使える時間の2つを軸に、ご自身に合った手法を選びましょう。自分の条件を書き出し、収支を自分で試算し、必要に応じて専門家に相談しながら進めることが大切です。
ゼロイエでは、空き家(主に戸建)を0円で取得し、貸すか売るかで収益を手にするための知識とノウハウを、全国的な会員組織を通じて学べる仕組みを提供しています。詳しくは会社概要やゼロイエとはのページをご覧ください。
あわせて読みたい(空き家起業家®椙田拓也のブログ)
【ご注意】
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の物件・個人に対する税務・法律・会計上の助言ではありません。税金・登記・法令・補助制度などは、物件の所在地や個別の状況、制度改正によって内容が異なります。実際の取引や運用にあたっては、税理士・司法書士・弁護士・不動産の専門家などにご相談のうえ、最新の公的情報をご確認ください。また、本記事内の数値は一般的な例や仮の試算であり、収益や成果を保証するものではありません。
空き家を0円でゲットして、家賃収入をつくる
「戸建0円ゲット」
5日間LINE無料講座
戸建の空き家を0円(無料)で取得し、貸して収益にする方法を、LINEで友だち追加するだけで5日間で学べます。実際の事例も豊富にご紹介します。
※LINE登録後に、税込4,900円の有料セミナーのご案内が通知される場合があります。






この記事へのコメントはありません。