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「空き家を売ろうと思うけれど、何から始めればいいのか分からない」「不動産会社に相談したのに、なかなか売れない」。空き家の売却を考え始めると、手順の多さや、売れるまでの見通しの立たなさに戸惑う方は少なくありません。
この記事では、空き家を売ると決めた人に向けて、売却の手順(相談・査定・媒介契約・販売活動・契約・引き渡しという大きな流れ)と、売る前に整えておくこと、売却の注意点を順番に整理します。あわせて、空き家が売れないときの原因の考え方と、打ち手も取り上げます。売却額や税金の具体的な数字は、物件や状況で大きく変わるため載せていません。個別の判断は、不動産会社・税理士・司法書士などの専門家にご確認ください。
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空き家の売却は、思い立ってすぐ売れるものではなく、いくつかの段階を順に進めます。まず全体の流れをつかんでおくと、いま自分がどこにいて、次に何をすればよいかが見えやすくなります。物件の状態や地域、売り方によって、順番や期間は大きく変わります。
売却にかかる期間は、数か月で済むこともあれば、それより長引くこともあります。買い手が付きやすい立地や状態の物件なら早く進み、買い手が限られる物件では時間がかかりやすい、というのが一般的な傾向です。「いつまでに現金化したい」という希望がある場合は、早めに不動産会社へ伝え、買取も含めた選択肢を相談するとよいでしょう。
この記事は「売る」と決めた人向けですが、まだ迷っている場合は、先に貸す選択肢と比べることをおすすめします。貸すか売るかの判断基準は、空き家は「貸す」か「売る」か?判断基準を整理で詳しく扱っています。ゼロイエでは基本は貸して収益化する考え方ですが、遠方で管理が難しい、使う予定がない、建物の傷みが大きいといった状況では、売却が合う場合もあります。
空き家の売却で見落とされやすいのが、売り出す前の準備です。ここを整えておくと、買い手との契約が進みやすくなり、途中で話が止まるリスクも減らせます。反対に、準備が不十分なまま販売を始めると、契約直前で問題が見つかり、やり直しになることもあります。
最初に確認したいのは、登記簿上の名義が誰になっているかです。親から相続した空き家で、名義がまだ亡くなった方のままになっている場合、そのままでは売ることができないのが一般的です。名義を現在の持ち主に変える手続き(相続登記)を先に済ませる必要があります。相続人が複数いる場合は、全員で話し合って誰が引き継ぐかを決める手続きも必要になり、時間がかかることがあります。
相続した空き家をどうするかの全体像は、実家の空き家を相続したらどうする?売る・貸す・残すの判断と最初にやることで整理しています。登記の手続きや必要書類は、司法書士や法務局に確認してください。なお、手続きの細かい要件や期限は変わることがあるため、最新の情報は専門家や窓口で確認するのが確実です。
家の中に家具や生活用品が残っていると、内見のときに印象が悪くなりますし、買い手が自分で処分する負担を考えて、価格交渉の材料になることもあります。売買の条件として「残置物はそのまま引き渡す」と決めることもできますが、その場合も、どこまで残るのかを契約書に明記しておかないと、後でトラブルの元になります。
片づけの進め方や、費用の考え方は、残置物が残った空き家の片づけ|費用と進め方で解説しています。
土地の境界がはっきりしていないと、売買の際に問題になることがあります。隣の土地との境目を示す境界標(ブロックの角や杭など)が見当たらない、昔のままで位置が怪しい、といったケースです。境界の確認が必要かどうか、必要な場合は誰に頼むか(土地家屋調査士など)は、物件の状況や買い手の希望で変わります。不動産会社に相談して、売却前に確認すべきかを判断してもらいましょう。
あわせて、敷地が道路に接しているか、隣の土地を通らないと出入りできない形になっていないか、といった点も確認しておきます。接道の状況は、建物を建て替えられるかどうかにも関わり、価格や売りやすさに影響します。再建築が難しい物件の考え方は、再建築不可の空き家は0円でも取得すべき?確認したいポイントも参考になります。
建物の傷み具合は、価格や売り方に直結します。雨漏りの跡、床や柱の傾き、シロアリ被害の疑いなどは、買い手が気にするポイントです。知っているのに伝えないでおくと、売却後にトラブルになるおそれがあるため、分かっていることは不動産会社に正直に伝えるのが基本です。
売却の相談や契約を進めるうえで、手元にある書類が役立ちます。一般的には、次のようなものです。実際に必要な書類は、不動産会社や司法書士に確認してください。
準備が進んだら、不動産会社に査定を依頼し、売却を任せる会社を決めて媒介契約を結びます。ここでの選び方が、売れ行きに影響しやすい部分です。
査定とは、不動産会社が「この物件なら、このくらいの価格で売れそうだ」という見立てを出すものです。1社だけの査定では、その価格が妥当かどうか判断しにくいため、複数の会社に依頼して比べるのが一般的です。会社によって得意なエリアや物件の種類が違い、見立ても異なります。
比べるときのポイントは、価格の高さだけで選ばないことです。次の点を見ておきましょう。
大切な注意点として、査定額は「売れる金額の約束」ではありません。査定額はあくまで見立てであり、実際に売れる価格(成約額)は、買い手との交渉や市場の状況で決まります。中には、媒介契約を取りたいために、実際より高めの査定額を示す会社もあり得ます。高い査定額に引かれて契約したものの、買い手が付かず、あとで大きく値下げすることになった、というケースも考えられます。
査定額が極端に高い場合は、その根拠を丁寧に確認しましょう。「いくらで売れるか」より、「いくらなら、どのくらいの期間で売れる見込みか」を聞くと、判断しやすくなります。
売却を不動産会社に依頼するときに結ぶのが、媒介契約です。一般的には、次の3種類があります。名称と特徴を簡単に紹介しますが、細かい条件(有効期間、報告の頻度など)は会社や契約書で確認してください。
どれが合うかは、物件の人気度や、売却を急ぐかどうかで変わります。買い手が付きやすい物件なら、複数社に頼む一般媒介でも動きやすく、買い手が限られる物件は、1社が腰を据えて動いてくれる契約が合うこともあります。契約前に、各契約の違いと、解約の条件を必ず確認しておきましょう。
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空き家の売り方は、1つではありません。それぞれ特徴が違うため、物件の状態と、売る側の希望(価格を優先するか、スピードを優先するか)に合わせて選びます。
仲介は、不動産会社が買い手を探し、売買契約までの手続きを手伝う方法です。市場に出して買い手を探すため、条件が合えば、買取より高く売れる可能性があります。その反面、買い手が見つかるまでの期間は読みにくく、売れない可能性もあります。
買取は、不動産会社が買い手になって、直接買い取る方法です。買い手を探す期間が要らないため、早く現金化しやすく、建物の状態が悪くても引き受けてもらえる場合があります。一方で、買取価格は、仲介で売れる見込みの価格より低くなるのが一般的です。会社が再販売して利益を出す前提のためです。売れずに困っている場合や、とにかく早く手放したい場合に、選択肢として検討されます。
自治体が運営する空き家バンクは、空き家を売りたい・貸したい人と、探している人をつなぐ仕組みです。地方では、移住や二拠点の希望者が見ていることがあり、不動産会社が扱いにくい物件でも、登録できる場合があります。ただし、自治体によって運用が違い、登録の条件や、売却までの支援の範囲も異なります。使い方や問い合わせのコツは、空き家バンクの使い方|物件の探し方と問い合わせのコツで解説していますので、売る側の視点でも参考にしてください。
建物の傷みが大きく、そのままでは買い手が付きにくい場合に、解体して更地にして売る方法があります。土地として探している買い手には響きやすい反面、解体費用がかかり、土地にかかる税金の扱いも変わる可能性があります。解体するかどうかの判断は、費用だけでなく、税金や補助金の確認が欠かせません。考え方は、空き家の解体費用の考え方|更地にする前に確認したい税金・補助金・活用にまとめています。
販売を始めても、問い合わせがない、内見はあるが話が進まない、という状況は珍しくありません。空き家が売れないときは、原因を切り分けて、打ち手を考えます。「売れない=その物件に価値がない」とは限らず、売り方や条件を見直すことで動くこともあります。
売れない原因は、おおむね次のような観点で整理できます。
どの要因が大きいかは、問い合わせの数、内見の数、断られた理由などで推測できます。不動産会社に反応の内訳を聞き、問い合わせが少ないなら価格や見せ方、内見はあるのに進まないなら建物の状態や条件を疑ってみましょう。
売れない原因として、まず疑いたいのが価格です。周辺の取引事例や、競合する物件との比較をもとに、価格を見直します。値下げは気持ちの面で抵抗があるかもしれませんが、売り出しが長引くと、その間も固定資産税や管理の手間がかかります。いつまでに売れなければ価格を見直す、というルールを最初に決めておくと、迷いにくくなります。
家の中が散らかっていると、実際の広さや状態以上に悪い印象になります。残置物を片づけ、掃除や換気をして、明るく見せるだけでも、反応が変わることがあります。庭の草刈りや、玄関まわりの手入れも、第一印象に効きます。写真は、明るい時間帯に撮り直す、間取りが分かる写真を増やすなど、不動産会社と相談して改善しましょう。
仲介で長く売れない場合は、買取に切り替える選択肢があります。価格は下がる可能性がありますが、保有を続けることで増える税金や管理の負担を考えると、早く手放す価値があると判断する人もいます。複数社に相談して、条件を比べてください。
売れない物件でも、貸せる可能性はあります。売り手が少し手を入れれば、住まいとして貸せるケースもあり、家賃収入を得ながら、将来改めて売却を考えることもできます。貸す以外の活用も含めた選択肢は、空き家を貸す以外にどう活かす?用途別の選択肢と許認可の注意点で紹介しています。貸すか売るかの判断基準は、先に紹介した記事も参考にしてください。
ただし、貸す場合は、家賃の見込みや修繕の費用、管理の手間を確認する必要があります。借り手の需要がない地域では、貸すことも難しい場合があるため、地域の賃貸の状況を不動産会社に聞いて判断しましょう。
売却では、売った金額がそのまま手元に残るわけではありません。費用や税金がかかる可能性があることを、あらかじめ知っておくと、手取りのイメージがつかみやすくなります。ここでは、どんな項目があるかの入口だけを紹介します。金額や税率、特例の名称や要件は、状況によって変わるため、ここでは書かず、専門家や窓口に確認してください。
建物や土地を売って利益が出た場合、その利益に対して、譲渡所得に関わる税金(所得税・住民税など)がかかる場合があります。売った金額から、取得にかかった費用や売却にかかった費用などを差し引いて計算するのが基本の考え方ですが、取得した時期や、相続で引き継いだ物件か、いつまで持っていたかなどで、扱いが変わることがあります。
また、条件を満たすと税金が軽くなる特例が用意されていることもありますが、その名称や要件、期限は、制度の改正で変わることがあります。当てはまるかどうかは自己判断せず、税理士・税務署・自治体の窓口で確認してください。
最後に、これまでの内容をチェックリストにまとめます。
物件や地域、売り方によって大きく変わるため、一概には言えません。買い手が付きやすい物件は比較的短く、買い手が限られる物件では長くなる傾向があります。名義の整理などの準備に時間がかかる場合は、さらに長くなります。期間の見通しは、不動産会社に、根拠とあわせて聞いてみてください。
まず、売れない原因(価格、立地、建物の状態、再建築の可否、権利関係、見せ方)を切り分けます。そのうえで、価格の見直し、残置物の整理や見せ方の改善、買取の検討、貸す選択肢への切り替えなどを比べます。複数の不動産会社に意見を聞くと、判断しやすくなります。
名義が亡くなった方のままの場合、一般的には売る前に相続登記が必要になります。相続人が複数いる場合は、誰が引き継ぐかの話し合いも要ります。手続きの要件は専門的なため、司法書士や法務局にご確認ください。
売って利益が出た場合は、譲渡所得に関わる税金がかかる可能性があります。ただし、利益の有無や、特例が使えるかどうかは、取得の経緯や持っていた期間などで変わります。個別のケースは、税理士や税務署に確認してください。
空き家を売る手順は、相談、売る前の準備、査定、媒介契約と販売活動、売買契約、引き渡しという流れで進みます。特に、名義(相続登記)、残置物、境界、建物の状態、書類といった売る前の準備と、査定額と成約額は別であるという理解が、空き家の売却をスムーズにするポイントです。売り方は仲介、買取、空き家バンク、更地にして売る方法があり、価格を優先するかスピードを優先するかで選びます。
空き家が売れないときは、価格、立地、建物の状態、再建築の可否、権利関係、見せ方に分けて原因を探り、価格の見直し、見せ方の改善、買取、貸す選択肢への切り替えを比べてください。売却額や税金は物件や状況で変わるため、不動産会社・税理士・司法書士など専門家に確認しながら、無理のない形で進めましょう。
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あわせて読みたい(空き家起業家®椙田拓也のブログ)
【ご注意】
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の物件・個人に対する税務・法律・会計上の助言ではありません。税金・登記・法令・補助制度などは、物件の所在地や個別の状況、制度改正によって内容が異なります。実際の取引や運用にあたっては、税理士・司法書士・弁護士・不動産の専門家などにご相談のうえ、最新の公的情報をご確認ください。また、本記事内の数値は一般的な例や仮の試算であり、収益や成果を保証するものではありません。
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