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空き家ビジネスとは?個人が始めやすい4つの収益モデル

晴れた日の空き家の前に集まる現地見学会の参加者たち

空き家が増え続けるなか、「空き家を活用したビジネス」に注目が集まっています。ひとくちに空き家ビジネスといっても、その内容はさまざまです。この記事では、個人でも始めやすい4つの収益モデルを取り上げ、それぞれの特徴を整理します。

「副業として空き家ビジネスを始めたいが、何から手をつければよいか分からない」「個人でも本当にできるのか知りたい」という方に向けて、各モデルの始め方、必要な準備、注意したい法令や税金の考え方、自分に合うモデルの選び方までを順に解説します。

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空き家ビジネスとは

空き家ビジネスとは、使われなくなった住宅を取得したり借りたりして、住まい・宿泊・店舗などとして活用し、収益を得る取り組みの総称です。決まった定義があるわけではなく、家賃収入を得る賃貸から、売却、宿泊施設、事業用の貸し出しまで、幅広い形があります。

空き家ビジネスが個人に向いているといわれる理由

  • 取得費用を抑えやすい:地方や郊外の古い空き家は、市場での評価が低く、安い価格で取得できる場合があります。所有者が維持費や管理の負担から手放したいと考えているケースでは、0円に近い条件で譲り受けられることもあります。
  • 規模を小さく始められる:アパートやマンションを一棟買うのに比べ、戸建て1軒から始められるため、まずは小さく試して経験を積むことができます。
  • 地域の課題解決につながる:放置された空き家は、防犯や景観の面で地域の悩みになりがちです。活用することで、所有者や地域から歓迎されることもあります。

一方で、古い建物ならではの修繕費、立地による需要の差、法令の制約など、事前に確認しておくべき点も多くあります。空き家を0円で取得する仕組みと注意点は、空き家を0円で手に入れる方法とは?仕組みと注意点を解説で詳しく解説しています。

空き家を見つける主なルート

空き家ビジネスの物件は、一般の不動産ポータルサイトに載っているものだけではありません。自治体などが運営する空き家バンク、地元の不動産会社が抱えている売り物件、知人や地域の方からの紹介、所有者への直接の相談など、いくつかの入り口があります。価格が安い物件ほど広告費をかけて募集されないことも多く、地元の不動産会社と関係をつくったり、地域の情報に耳を傾けたりすることが、よい物件に出会うきっかけになります。

所有者に直接相談する場合は、いきなり条件の話をするのではなく、空き家をどう活用したいのか、近隣に迷惑をかけないよう管理するつもりであることなどを丁寧に伝えることが大切です。相続した家の扱いに悩んでいる所有者にとって、活用してくれる人の存在は選択肢のひとつになります。

空き家ビジネスに向いている人・向いていない人

空き家ビジネスは、物件ごとに状態も条件も異なるため、決まった手順をなぞるだけではうまくいかないことがあります。現地に足を運んで建物を確かめる、地元の不動産会社や業者と相談しながら進める、想定外の出費にも落ち着いて対応する、といったことを楽しめる方には向いているといえます。

反対に、手間をかけずにすぐ大きな収入を得たい方や、資金に余裕がなく予備費を用意できない方には、負担が大きく感じられるかもしれません。始める前に、自分が使える時間と資金、リスクへの向き合い方を一度整理しておくことをおすすめします。

①賃貸にして家賃収入を得る

空き家を取得(または借り上げ)し、住宅として貸し出す方法です。毎月の家賃収入が得られ、最も基本的なモデルです。物件の状態や周辺の需要を確認し、必要な範囲で修繕を行うのが一般的です。

取得して貸す方法と、借りて貸す方法

賃貸モデルには、自分で物件を取得して貸す方法と、所有者から借りた物件を、所有者の承諾を得たうえで別の人に貸す方法があります。取得して貸す場合は、物件が自分の資産になり、家賃収入を長く得られる一方、修繕費や固定資産税などの負担も自分で持ちます。借りて貸す場合は、取得費用がかからない反面、所有者に支払う賃料と入居者から受け取る家賃の差が収益になるため、収益は小さくなりやすく、契約条件の取り決めも重要になります。

戸建て賃貸の特徴

戸建ての賃貸は、アパートやマンションに比べて募集されている数が少ない地域もあり、ペットを飼いたい世帯や、駐車スペース・庭のある家に住みたい家族から一定の需要があるとされています。入居者が決まると長く住んでもらえることも多く、安定した収入につながりやすい点が特徴です。戸建て賃貸の仕組みやメリット・デメリットは、記事の最後で紹介する関連記事で詳しく整理しています。

注意したいのは、修繕のかけすぎです。新築のような見た目を目指すと費用がふくらみ、家賃で回収するまでの期間が長くなります。雨漏りや水回りなど、住むために必要な部分を優先し、見た目の工事は家賃相場とのバランスで判断するのが基本です。

賃貸モデルの収支の考え方

賃貸モデルの収益は、家賃収入から経費を差し引いた「手残り」で考えます。経費には、固定資産税、火災保険料、管理会社に任せる場合の手数料、入居者募集の費用、設備の故障や退去時の修繕費などがあります。さらに、入居者が退去してから次の方が決まるまでの空室期間も見込んでおく必要があります。

例えば、取得と修繕にかかった費用の合計を、年間の手残りで割ると、何年で回収できるかの目安がつかめます。この年数が短いほど資金効率がよく、長いほど空室や修繕の影響を受けやすくなります。数字は物件や地域で大きく変わるため、必ず個別の見積もりと相場で試算してください。

②取得した物件を売却して利益を得る

取得した物件を必要に応じて整えたうえで、売却する方法です。まとまった収益を得られる可能性がある一方、売却までの期間や、税金の扱いなど確認事項があります。なお、売買を繰り返し行う場合は、宅地建物取引業の免許が必要になることがあるため、専門家に確認しましょう。

売却モデルで確認したいこと

  • その地域で、似た物件がいくらで、どのくらいの期間で売れているか
  • 整えるための費用をかけた分、売却価格が上がる見込みがあるか
  • 再建築不可や接道の問題など、買主が住宅ローンを使いにくい条件がないか
  • 売却益にかかる税金が、保有期間などによってどう変わるか

売却は、一度の取引で資金を回収できる点が魅力ですが、買い手が見つからなければ収益になりません。最初から売却だけを目的にするより、貸しても売っても成り立つ物件を選んでおくと、出口の選択肢が広がります。貸すか売るかを決める具体的な判断基準も、記事の最後の関連記事で解説しています。

③民泊・貸別荘・シェアスペースなどに活用する

観光地や特色のある立地では、宿泊施設や貸しスペースとして活用する方法もあります。法令の許可・届け出や、近隣への配慮が必要で、稼働率によって収益が変わります。

宿泊・スペース活用の特徴と注意点

宿泊として使う場合は、住宅宿泊事業法にもとづく届出や、旅館業法にもとづく許可など、営業の形態に応じた手続きが必要になります。地域によっては条例で営業できる区域や期間が制限されていることもあるため、物件を決める前に自治体の窓口で確認しておくことが大切です。

  • 予約の受付、清掃、鍵の受け渡し、問い合わせ対応など、日々の運営業務が多い
  • 季節や曜日によって稼働が変わり、収入が月ごとに大きくぶれる
  • 家具・家電・消防設備など、住宅として貸すより初期の準備が多くなりやすい
  • 利用者の出入りが多く、騒音やごみ出しなど近隣への配慮が欠かせない

うまく稼働すれば住宅として貸すより大きな収入になる可能性がありますが、運営の手間と変動の大きさを受け入れられるかが分かれ目です。本業を持つ個人が最初に選ぶには、ハードルが高めのモデルといえます。

向いている物件・立地

宿泊やスペース活用が成り立ちやすいのは、観光地の近く、自然や景観に魅力がある場所、イベントや合宿などの利用が見込める場所など、「そこに泊まる理由」がある立地です。一方、観光客が少なく、周辺に宿泊の需要がない地域では、稼働率が上がらず、住宅として貸す方が安定することもあります。周辺の宿泊施設の数や利用状況を事前に調べておきましょう。

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④店舗・事務所・倉庫として貸す

事業用として貸し出す方法です。用途によっては、用途地域や建築基準法などの確認が必要になります。

事業用に貸す場合の特徴

例えば、幹線道路沿いの古い戸建てを小さな店舗や事務所に、郊外の空き家を資材置き場や倉庫に、といった活用が考えられます。借り手が自分で内装を整えることを前提に、現状のまま貸せる場合もあり、貸主の修繕負担を抑えられることがあります。

一方で、住宅に比べて借り手の数は限られ、一度空くと次の借り手が見つかるまで時間がかかることがあります。また、住宅から店舗などへ用途を変えると、建築や消防の基準への対応が必要になる場合もあります。契約の内容も住宅とは異なる点があるため、不動産会社や専門家に相談しながら進めましょう。

事業用の借り手の探し方

事業用の借り手は、住宅の入居者とは探し方が異なります。事業用物件を扱っている不動産会社に相談するほか、地域の商工団体や、開業を考えている方が集まる場の情報を当たるのもひとつの方法です。借り手が決まったら、内装工事の範囲、退去時に元に戻す範囲、看板の設置などを契約で明確にしておくと、後のトラブルを防げます。

個人が始めるときに考えたいこと

  • 初期費用をどこまで抑えられるか
  • 時間をかけられるか、任せる範囲をどうするか
  • 立地の需要と、法令上の制約
  • 収支の見通しと、想定外の出費への備え

最初は、需要が読みやすく、収益の仕組みがわかりやすい「賃貸」から検討する方が多いようです。

4つのモデルの比べ方

4つのモデルを、個人が始める視点で比べると、おおむね次のように整理できます。物件や地域によって当てはまらない場合もあるため、目安として参考にしてください。

  • 賃貸:収入は毎月少しずつ。入居が決まれば運営の手間は比較的少なく、収支の見通しを立てやすい。
  • 売却:収入は一度にまとめて。売れるまでの期間と価格が読みにくく、繰り返す場合は免許の要否の確認が必要。
  • 宿泊・スペース活用:収入の変動が大きく、日々の運営業務が多い。許可・届出と近隣対応が欠かせない。
  • 事業用の貸し出し:借り手が限られ、空いた期間が長くなることがある。用途に応じた法令の確認が必要。

自分に合うモデルを選ぶための3つの質問

どのモデルが合うかを考えるときは、次の3つの質問に答えてみると整理しやすくなります。

  1. 毎月、どのくらいの時間を使えるか:時間が少ないなら、運営の手間が少ない賃貸が候補になります。
  2. 収入は安定と大きさのどちらを優先するか:安定を求めるなら賃貸、変動を受け入れられるなら宿泊活用なども選択肢に入ります。
  3. 資金はいつ回収したいか:早く回収したいなら売却、長く収入を得たいなら賃貸が向いています。

また、不動産投資には、戸建て、一棟アパート、区分マンションなど、さまざまな形があります。どれを選ぶかは、融資を受けられるかどうかといった属性と、かけられる時間によって変わります。空き家ビジネスは、そのなかでも少額から戸建てで始めたい方の選択肢のひとつと考えるとよいでしょう。

会社員が副業として始める場合

本業がある方は、使える時間が限られます。平日に現地へ行けない、急な連絡にすぐ対応できない、といった事情を前提に、管理会社や地元の業者に任せられる範囲を最初に決めておくと無理がありません。就業規則で副業がどう扱われているか、住民税や確定申告がどうなるかも事前に確認しておきましょう。詳しくは、会社員が副業で空き家投資を始めるには?会社への影響と注意点で解説しています。

事業として続けるなら、税金と記帳も準備する

空き家ビジネスで収入が生まれると、その所得に応じて確定申告が必要になることがあります。賃貸なら不動産所得、売却なら譲渡所得など、モデルによって所得の区分や計算方法が変わる場合があります。収入と経費の記録は始めた時点からつけておき、具体的な扱いは税務署や税理士に確認してください。

空き家ビジネスを始めるまでの流れ

個人が賃貸モデルから始める場合を例に、一般的な流れを紹介します。ほかのモデルでも、調べる・試算する・確認する、という基本の順番は変わりません。

  1. エリアを決める:通える範囲か、任せられる業者がいる地域かを考え、候補のエリアを絞ります。
  2. 需要と相場を調べる:そのエリアの戸建て賃貸の家賃、入居者層、募集の状況を、ポータルサイトと地元の不動産会社への聞き取りで確認します。
  3. 物件を探す:空き家バンク、不動産会社、知人の紹介、所有者への相談など、複数のルートで情報を集めます。
  4. 現地を確認する:雨漏り、床の傾き、水回り、シロアリの跡などを見て、修繕の範囲と費用の目安をつかみます。
  5. 収支を試算する:家賃から、修繕費、税金、保険料、管理費、空室の期間を差し引いて、手元に残るお金を計算します。
  6. 権利と法令を確認する:登記の名義、接道、再建築の可否などを確認し、必要に応じて司法書士や自治体に相談します。
  7. 取得・修繕・募集:契約と登記を済ませ、必要な修繕を行い、不動産会社に入居者の募集を依頼します。

なかでも5番目の収支の試算は、ビジネスとして成り立つかどうかを決める重要な工程です。費用の考え方は、空き家0円取得は本当に儲かる?初期費用と収支の目安を参考にしてください。

つまずきやすいポイント

個人の空き家ビジネスでよくあるのは、「安いから」という理由だけで物件を決めてしまい、あとから修繕費がかさんだり、入居者が決まらなかったりするケースです。取得価格が安くても、収益にならなければ維持費だけがかかり続けます。物件を見る前に需要を調べ、修繕費を見込んだうえで収支が成り立つかを確かめることが、失敗を避ける基本です。よくある失敗の傾向は、空き家投資で失敗しやすい7つのパターンと避け方にまとめています。

よくある質問

空き家ビジネスは、個人でも始められますか?

個人で始めている方もいます。特に戸建ての賃貸は、1軒から小さく始められ、不動産会社や管理会社に業務を任せることもできるため、個人が取り組みやすいモデルです。ただし、物件選びや収支の見通しを誤ると損失が出ることもあるため、事前の調査と試算は欠かせません。

資格や免許がなくても始められますか?

自分が所有する物件を貸すこと自体には、一般に特別な資格は求められないとされています。一方で、売買を繰り返し行う場合や、他人の物件の取引を仲介する場合、宿泊施設として営業する場合などは、免許・許可・届出が必要になることがあります。始めたいモデルが決まったら、自治体や専門家に確認しましょう。

自己資金はどのくらい必要ですか?

必要な資金は、取得価格、修繕の範囲、登記や税金の費用などによって大きく変わり、一概にはいえません。0円に近い価格で取得できた場合でも、修繕費や諸費用はかかります。想定外の出費に備えて、見積もりに予備費を上乗せした資金計画を立てておくと安心です。

どのモデルから始めるのがよいですか?

使える時間、資金、物件の立地によって答えは変わりますが、初めての方は、需要と収支の見通しを立てやすい賃貸から検討することが多いようです。経験を積んだうえで、物件の特性に合わせて売却や他の活用方法を組み合わせていく、という進め方も考えられます。

地方の空き家でも、借り手は見つかりますか?

地方でも、戸建ての賃貸を探している世帯は一定数いるとされています。ただし、需要の有無は地域ごとに大きく異なります。物件を決める前に、地元の不動産会社に「この地域で戸建てを貸したら決まりそうか」「どのくらいの家賃なら借り手がつくか」を聞き、需要を確かめてから判断しましょう。家賃を相場より高く設定しすぎないことも、早く入居者を決めるための大切なポイントです。

まとめ

空き家ビジネスには、賃貸、売却、宿泊・スペース活用、事業用の貸し出しなど、いくつかの方法があります。物件の立地と状態、ご自身の時間や資金に合ったモデルを選び、法令や税金は専門家に確認しながら進めましょう。個人が始める場合は、需要と相場を調べ、修繕費を含めた収支を試算してから物件を決める、という順番を守ることが大切です。 関連する記事として、空き家は「貸す」か「売る」か?判断基準を整理、戸建て賃貸経営とは?初心者向けにしくみとメリット・デメリットを解説もあわせてご覧ください。

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【ご注意】

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の物件・個人に対する税務・法律・会計上の助言ではありません。税金・登記・法令・補助制度などは、物件の所在地や個別の状況、制度改正によって内容が異なります。実際の取引や運用にあたっては、税理士・司法書士・弁護士・不動産の専門家などにご相談のうえ、最新の公的情報をご確認ください。また、本記事内の数値は一般的な例や仮の試算であり、収益や成果を保証するものではありません。

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